北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
143/1232

〈中略〉これまで、道内において農業外(農家出身以外)あるいは農家の後継者でない次、三男などで、新たに農地を取得し、経営を開始する者が相当数あるものとみられていたが、その実態を把握した調査はなく、新規就農問題に関心が寄せられて以降、昭和五一~五二年にかけて、道農務部農業改良課、同酪農草地課、道農業会議がそれぞれ行った調査が現在あるにすぎない。これら三つの調査について整理の都合上、昭和四八年以降新規に就農した四〇才未満の者についてみると九二名にのぼり、概ね年間二〇名程度が新しく農業ととり組んでいることが判った(なお、調査洩れも考えられるので、実際はこれより多いと考えられる。)2 新規就農対策の実施以上のような道内における新規の経営開始や希望者の実態がある程度明らかになってきたなかで、こ〈中略〉の問題に対する何らかの対策、あるいはその推進体制の具体化について、道をはじめ関係機関団体で検討がすすめられた。また、当時、離農者の跡地や施設などを一括取得する「農場売買融資制度」の創設の要望意見も農業団体から出されており、関係機関団体による農業金融問題研究会を中心として検討が行われた。一方、道においても、昭和五一年の七月、「昭和五二年度国費予算編成に関する要望」の中で、担い手育成対策の一環として、「新規就農青年受入体制の確立」を要望し、引続いて五三年度予算要望にも掲げると同時に、五三年度道予算での具体化について検討が行われた。また、関係団体においては、五二年の夏から、道農業会議、北農中央会、北信連、道酪農協会、道農業信用基金協会の連名で「新規就農青年対策の推進に関する要望書」を作成し、農林省をはじめ中央関係機関及び道に対し要請を行った。第3節 高度経済成長期後の農山漁村社会(1) 127 (2) (3) 

元のページ  ../index.html#143

このブックを見る