私たちの厚岸漁業協同組合は、組合員数六八八名でコンブ漁業を主体として、サンマ棒受け網、サケマス流し網、カニ篭、ホッキ、アサリ、カキ養殖など多様の漁業に従事しております。また、平成八年度の生産量は、二万八千トン、六九億円で、組合員の七割以上が従事するコンブ漁業では、安定した生産のために組合員自らが漁場の雑海藻駆除を行なうなど沿岸資源の維持増大にも努めております。(第二図〈略〉参照)2、婦人部の組織及び運営当婦人部は、昭和二九年に設立され、現在部員数が三 八三名で構成されています。組織は一五の支部に分かれ各支部長の中から部長一名、副部長二名、監事二名の三役を選び運営しています。3、活動課題選定の理由昭和五九年に厚岸湖内の養殖カキに原因不明の大量斃死が発生し、厚岸湖を巡る環境の変化が注目される様に〈中略〉〈中略〉なりました。このため組合としては、湖内の水質調査や研修会等を開催し、また漁業者自らも湖内の清掃作業を行うなど漁場環境保全に努めました。私たちにとっても深刻な問題と受止め、婦人部として何をすべきか話し合いを重ねていく上で、湖内環境に対する取り組みが必要であることを改めて認識しました。そうした中で、道漁婦連の創立三〇周年記念で「お魚を殖やす植樹運動」が提唱され、私たち婦人部も昭和六三年から植樹活動に取り組み、森林組合の指導を受けながら町内の山などに平成七年までの八年間で七〇〇〇本の植樹を行いました。最初は、植えることだけで精一杯でしたが回数を重ねるうち、植樹後の管理として下刈や野鼠駆除・鹿対策等も大切ではないかとの思いが、参加した部員の胸をよぎるようになりました。更に、面積と植樹本数を拡大するに当たり、適地の確保や苗木の確保も大きな課題となったため、自主的な取り組みには限界があることを感じ打開策を探すことにしました。131第3節 高度経済成長期後の農山漁村社会
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