北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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4、実践活動状況と成果平成七年に植樹の適地について町役場に相談したところ、候補地の選定と併せて、植樹後の保育・管理は「厚岸町有林野分収林設定条例」を活用する方法があるとのご指導を頂きました。役員会で協議検討の結果、厚岸湖に注ぐ別寒辺牛川上流の町有林伐採跡地に植樹することとし、町と分収林契約を締結する運びとなりました。こうして、分収林での植樹活動がスタートすることとなり、平成八年から一〇年までの三年間で、一・五ヘクタールの面積に七五〇〇本を植える計画を立てました。樹木の種類は、少しでも漁業資源に役立つようにとシラカバとミズナラの広葉樹を選定し、一列づつ交互に植えることにしました。植樹一年目は、厚岸漁協婦人部分収林植樹祭として、セレモニーを行い、林業指導所から植付け指導を受けたあと、町長、組合長はじめ関係者総勢七六名により一時間半程度で植樹作業を終え、植樹場所に「漁業を育む〝もり〟づくり」と書いた看板を設置しました。分収林の契約内容ですが、締結当事者は、土地所有者の厚岸町長と造林者の厚岸漁協婦人部長で、厚岸漁協組合長には立会人となってもらいました。契約期間は、平成八年から六〇年間で、更に三〇年間延長が可能となっており、期間満了後の成果は、婦人部八割・町二割で「分収」する約束です。婦人部は造林者として植樹経費を負担しなければなりませんが、植栽樹種・本数などを造林計画書に定めることにより、ほぼ全額が補助対象となりました。このほか、造林地内の保育・管理業務についても、厚岸町森林組合との間で委託契約を交し、婦人部が同組合の准組合員に加入することにより、保育・管理費用も全て補助金で賄える道が開けました。また、契約期間内の伐採や造林地にたいする林道など     公共施設の設置についても、婦人部として協議に参加できることや、分収林内のきのこ・木の実などは、自由に処分できるなど森林に親しむ機会を私たち自らが確保できたことを喜びに感じております。現在では、三分の二の面積に五九〇〇本の植樹を行い、132第1部 社会・文化 第2章 農山漁村・炭鉱の生活【農山漁村の生活】

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