炭鉱離職者の南米移住南米移住熱高まる安東前大使をむかえ講演会 【美唄】労使協定による希望退職者募集で五百二十人がヤマを離れた三井美唄鉱の合理化は、引き続き坑外職場を第二会社へ分離するなどの方向にむかって急ピッチに進められるが、これとともに一時下火になっていたヤマの南米移住熱がまた盛んになり第二の人生を南米の新天地に―という南米研究会のグループ活動が目立ってきた。三井鉱山からの南米移住者はいままで美唄、砂川、芦別の道内三山と九州の田川、札幌事務所からをあわせ四十三家族約二百二十人。そのうち美唄組は十八家族約百人(ブラジル十五家族、パラグアイ三家族)とトップを占め移住熱はもっとも盛ん。『北海道新聞(空知南部版)』一九六一年一一月一九日このため同鉱前人事課長篠崎英二氏が移住の世話役を引き受け〝南米駐在員〟として近く現地にむかうが、南米研究会(会長赤木正之氏)でも組織を再編成、全山に呼びかけ講演会などを通じ、現地事情を学んで移住の日の準備を進めている。十七日には日伯移住協定の生みの親としてこの夏までブラジル大使を勤めた安東義良氏がわざわざ山元を訪れ、同夜六時から体育館日本間で〝南米事情の講演映画会〟を催し海外移住協会の現地映画をみたり、安東氏を囲んでブラジル、パラグアイの現地事情を熱心にきいた。同研究会からはブラジル・サンパウロ州のオウリニヨ 陣送り出しが決まっており、さらにふえる見込みだ。ス地区へ十二月十日ごろ一家族が出発するのを皮切りに来年二月に二家族、四月に三家族、五月に一家族と第二28 152第1部 社会・文化 第2章 農山漁村・炭鉱の生活【炭鉱の生活】
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