北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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道は、平成三〇(二〇一八)年に「北海道命名一五〇年」という節目の年を迎えて、関連推進施策として「北海道史の編さん」を計画しました。この計画の概要は、具体的には『北海道現代史』全五巻(通史編二巻と資料編三巻)と『北海道クロニクル』全二巻、そして『北海道史年表』の計八冊を令和五(二〇二三)年以降に逐次刊行するというものです。『北海道現代史』は資料編を重視するという戦後の地方史研究の傾向から、まず、令和五年三月に『北海道現代史 資料編2(産業・経済)』が刊行されました。そして今年度は本書、すなわち『北海道現代史 3(社会・文化・教育)』の刊行を迎えており、来年度は『北海道現代史 です。『北海道現代史』の今後は、資料編三巻の刊行が計画通りに進めば、次は通史編の予定です。そして『北海道クロニクル』が編さんの舞台に登場してくることになります。なお、『北海道クロニクル』とは、考古学の対象となる先史・古代の時代から近現代までの北海道史の概説になります。さて、これまでに北海道(庁)により公刊された道史は、大正七(一九一八)年の「開道五〇年」記念として出版された『北海道史』が最初です。これ以前から、道庁の内部では「北海道拓殖史」の編さん構想がありましたが、大正三(一九一四)年の北海道会に全議員の連名で「北海道史の編纂」建議案が提出、可決されたために、この『北海道史』が刊行されることになりました。同書の刊行には「正確ナル道史ハ本道ノ過去現在ヲ紹介スル上ニ缺クルベカラザルモノ」という意図がありました。そして、この前近代を中心とした第一冊の刊行により、近世までの北海道史に「歴史としての体系」性が与えられたのです(高倉新一郎・北海道大学教授)。この後、事業が一時的に中断されましたが、昭和一二(一九三七)年に書資料編1(政治・行政)』を刊行する予定資料編 1  はしがきはしがき

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