北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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1.団地開発の目的北海道では、札幌市の住宅不足に対応するとともに札幌圏の人口、産業を計画的に配置するため、真駒内、大麻団地にひきつづき、より大規模な第三の住宅団地の開発が必要であるとの判断に立ってその適地調査を大麻団地開発当初から行ってきた。適地の条件としては、開発の規模を面積三〇〇~四〇〇ヘクタール、計画収容人口を三~四万人、札幌への通勤時間一時間以内、距離で約四〇キロメートルの圏域内に求めることとした。2.開発区域選定の経緯当時の宅地政策に対する考え方公的な大規模開発方式による住宅供給が都市施設、地価、交通等の面において良い影響を与えはじめている。住宅建設計画(昭和五〇年までの住宅需要約一〇八、〇〇〇戸)を達成するためには、民間による宅地開発事業のレベルアップと供給量の拡大を図る必要があるが、そのためには公共機関が率先して宅地開発を行い、地価の安定、質の向上などの役割りを果たさなければならない。北海道による宅地開発の意義北海道は全道的な見地から市町村の行政区域にとらわれず、圏域として人口や産業を誘導する必要があり、その意味において道が札幌都市圏において住宅、公共施設等の計画的配置のために道自からが宅地開発を行う意義は大きい。開発区域の選定適地の選定にあたっては、まず、候補地を、小樽、岩見沢、恵庭、当別、広島の五ヶ所に絞り、めん密な調査を行った結果、昭和四三年一一月に広島町の「広島、中の沢、富ヶ丘」約四四〇ヘクタールを開発地区として決定した。(選定理由)ア.広島町は、札幌からの人口、産業の流出がすでに始まっているが、必ずしも計画的な立地ではない。      (1) (3) 第1部 社会・文化 第3章 都市化と都市の生活(2) 190

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