買物公園の理念と課題〈一九七二年〉平和通買物公園の課題と対策について1.基本的考え方昭和三九年に策定した平和通買物公園構想は、幾多の話題が投じられながらも、四四年八月には公園化の実験に着手し、これが発端として全国各地に歩行者天国などを展開させたことは言うまでもない。さらに四五年には商業近代化地域計画を策定、いわゆる商業モデル地域に指定され、都市における商業の位置付けが大きくクローズアップされた。一方、買物公園は、京大上田〔(篤〕助教授を中心に基本計画及び実施設計に取りかかり、四七年六月には公園化計画の第一期工事が完成するといった経過をたどって今日に至っている。このプロセスを振り返ってみると、当初難問が山積さ旭川市商工振興課「平和通買物公園関係」編者注)一九七三年多(様しているが、地域住民の福祉の向上のために機能をれていると言われながらも、構想実現への第一歩まで進むことのできた要因は、市政の基本である市民本意)の理念、いわゆる市民参加の新しいパターンとそれを実践させた公民一体のシステムが重要な推進エネルギーであったと考える。市民は、配色で表現すれば、一つの色、つまり単色ではなく、多色の集団であって、これが地域を形成し、都市社会を構成するのである。しかし、市民の業種業態はそれぞれ異色ではあるが、この異色の調和こそ都市の個性化が発揮できるものであって、特に地方都市においては、この問題に対する市民意識こそ重要なポイントになると考える。例えば、商店街をとらえると、商業者個々の業種は発揮する市民集団である。殊に、商業者であっても本質的には旭川の市民であり、この市民が買物公園という課題を商業活動に導入させたことに大きな意義があろう。従来の認識からすれば、商業者と市民との間には、物 マ)マ (ママ14 202第1部 社会・文化 第3章 都市化と都市の生活
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