北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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銭湯の厳しい経営環境に対する助成願〈一九七八年〉北海道公衆浴場業生活衛生同業組合「陳上要望に関する綴 昭和五三年一月一九日陳情書旭川市政発展のため貴職の日夜にわたるご活躍に対し、心から敬意を表するところであります。特に公共福祉の向上と私たち公衆浴場業者の地位向上のために、特段の御高配を賜り組合員一同心から感謝いたしております。さて、御承知のとおり公衆浴場は昔からそこに住む人々の憩いの場として、又公衆衛生と健康増進のため多旭川浴場組合長 杉尾正男 昭54年以降」〔一九七九年〕くの人々のご利用をいただいて来ました。しかし経済の発展と共に自家風呂の普及、マイカーによるレジャー施設併設特殊浴場への移行などによる利用客の激減は、公衆浴場にとってかって経験のない苦しい経営となり、存続か廃業か近年各方面に大きな社会問題としてクローズアップされております。当旭川の浴場業者も同じで当面する問題が山積しておりますが、特に次の二点について貴職の特段の御高配を賜りたく陳情致します。1.公営住宅増改築による家庭風呂の新設について昨年豊岡地区に於いて、国の助成のもとに家庭風呂取付けのための増改築が実施されております。しかし私達は、公営住宅入居者をはじめ、地域住民の福祉向上と、健康増進を理由に公共性を強調され、福祉施設衛生面での行政指導を受け、更に入浴料金についても、支出原価方式と物価統制令により低額規制を受け、苦しい経営を続けて参りました。今、公営住宅に家庭風呂を取りつけることが時代の要求だとしても、そのことにより公衆浴第三節 高度経済成長期後の都市生活16 206  殿印    第1部 社会・文化 第3章 都市化と都市の生活

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