北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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 記い被保護率も一〇・八%で全国平均の一・八%、全道平均の一・七%に比し数倍の高率である。更にボーダーライン層と見做されるものを含めると総体の三〇%以上が極貧階層によつて占めるものと推定される。このような悪環境から入浴施設も少なく給水排水施設も皆無に等しく結核その他疾病が多発し憂うべき状態にある。従つてこれ等地区市町村並に関係団体よりこれに対する国の特別な施策を講ずる様、強い要望があり、今回道において左記の通り地方改善施設整備計画を樹立し昭和三十六年度を第一年度とし五ケ年計画で実施し当該地域の福祉に欠けた住民に無料また低額な料金で利用させる一方住居施設については個人に新増改築費助成の措置をとり生活改善および向上を図るため各種事業を行うと()とするものである。この実施主体は関係市町村であるが市町村において対策を進める上においても財政負担能力に欠けるところが多いので、国が特別助成措置によつて実施している同和対策並にスラム街を対象とする不良環境地区対策と同様ママに国の施策とし国費援助の措置を講じ、且つ本道の特殊事情から補助率を引上げて交付し道内五一地区の劣悪な生活環境を改善し、経済力を附与し一般地域と同様に生活環境を改善されるよう特段の配慮を要望するものである。一.地方改善旧土人集落施設整備国庫補助を八割とされたい。以下改善の対象を挙げると次のとおり。㈠ ㈡ 員の設置(助成)措置をとられたい。隣保舘  一六ケ所 共同浴場 三二ケ所 共同作業場一四ケ所 五ケ年計画 洗濯場・五ケ所 共同炊事場 共同井戸 五一ケ所五ケ年計画一カ年一〇ケ所点灯工事その他 六件四ケ年計画一ケ年二ケ所以上の設置要望隣保舘に旧土人の生活の向上を図るため生活指導五ケ年計画 一ケ年三ケ所四ケ年計画 一ケ年八ケ所一ケ年三ケ所三ケ年計画 一ケ年二ケ所第1部 社会・文化 第4章 戦後社会の中のアイヌ民族の生活と文化240

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