〔先に死んだほうが幸せだ〕道外の学校を廻った体験萱野茂が著書『アイヌの碑』の中に記録した、㈢ 不良住宅改善資金に個人助成の措置をとられたい。この第一年次計画は六四ケ所で二年以降は別途計画する。二.札幌その他都市におけるスラム街の改善についても特段の御配慮を併せてお願いします。資料不良環境地区(旧土人集落)改善施設年次整備計画北海道旧土人共有財産管理状況調〈略〉北海道旧土人保護法による助成状況調〈略〉北海道旧土人集落地区の概況〈略〉〈略〉(北海道立図書館所蔵)〈一九五〇年代後半~六〇年代〉〈中略〉子供のころからの夢であった親方、萱野組の組頭として造材の仕事が軌道にのった昭和二十九年五月のはじめ、わたしは家の前の畑で馬にブラオを引っぱらせて耕していました。すると、足の不自由な中年の男が、馬を追っているわたしの前をゆっくりと通り過ぎ、わが家へ入ってゆきました。わたしは、また〝アイヌ研究〟のシャモかと思い、そのまま仕事をつづけました。夕方、だいぶ暗くなって仕事を終えて帰ってきても、多数者の「理解」を求めて萱野茂『アイヌの碑』一九八〇年10 第2節 高度経済成長期の生活と文化241(2)
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