北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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② 活動の様子を報じた新聞記事識されていない」と自費で府県を行脚し講演を行い 人との融和の促進運動を行つた道アイヌ文化保存協会長、白人古タン矯風会長、幕別町議会議員吉田菊太郎氏が今年も本州各府県を行脚、講演を行うことになつた 目的はアイヌの生活が一般人の域に達しているにもかかわらず 本州府県人の中には今なおアイヌ族は熊と交渉を続け、山谷のオガミ小屋〔(掘立て小屋よりも簡素なテントのような小屋〕に住み、獣を獲り、河岸に漁つて原始的な生活を続け和人との間に言葉も通じないかのように想像しているのを打破し を広く紹介しようというものなお同氏は本州関係者の知人を紹介してほしいと望んでいる『北日本新聞』一九五八年六月四日、五日編者注)現代のアイヌ人の生活実態(帯広市図書館所蔵)北海道アイヌ文化保存協会長、幕別町議、吉田菊太郎この氏は保存館建設基金をあつめるため三日来県、吉田〔実〕知事に協力方を要請した。同氏は四日、富山市南部堀川両中学校、魚津大町小学校、五、六の両日黒部地区でアイヌの今昔生活についての講演会をひらくが、同基金運動についてつぎのように語つた。アイヌ民族が用いてきた言葉や祭事がわすれられ、古   和なげかわしいことだ。このため先祖がのこした日用品をくからつたわつた貴重な日用品もしだいになくなり、アイヌ文化が亡びてゆくのはわれわれアイヌ民族にとつて永久保存する永久建築の保存館(二十坪前後)を明年夏までにつくることをきめた。これにはやく百万円が必要であり、この基金をつくるためアイヌ今昔生活などをかいたアイヌ文化史を出版、これを百五十円で配付するほか市町村の協力を要請することになつた。富山県へきたのは吉田知事のおじにあたる吉田太吉氏=幕別町在住=アイヌ文化を永久保存 保存館建設協力要請に来富〔(六月四日付記事〕吉田協会長編者注)第2節 高度経済成長期の生活と文化245

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