ヤイユーカラ・アイヌ民族学会による「設立の目的」・・・・・・・・ヤイユーカラ・アイヌ民族学会設立の目的アイヌ民族は現実に生きているのである。従って生きる権利も、識る権利も、文書を書き残す権利も、当然に人権の中で行なうべきである。我々は封建時代の御用学者の流れの中で育成されたへボ学者のための天然記念物でもなく、標本でもない事は事実である。天皇とはなんぞや。日本歴史とはなんぞや。生きるとはなんぞや。アイヌとはなんぞや。アイヌ文化とはなんヤイユーカラ・アイヌ民族学会『胎動の書』一九七三年ぞや。等々社会には疑問点が山積しているのである。アイヌ文化の二、三点を掲げてみると、死刑という刑法がない。世界的なユーカラ詩がある。運算方法はまれに見る二十進法である。掲げると山程もある。なんのために、どんな理由でと、知るベき権利がある。ウタリ達は、自からの手で民族の歴史を書き残す時だと信ずる。次代を背負うウタリ子弟の、今後の行く道を学問を通して、進路の開拓をするのが目的なのである。全道ウタリ老若男女の皆様は、御賢察の程を御願いして、是非設立ある事を提案します。設立と定まれば、当然の件として役員構成と発展す。 。 象智の結集の上、社会進行方針が決定される事と信ずるのである。尚、前記の目的を前提として、ここに謹んで提案申し上げます。第三節 伝統文化の「保存」から「学習」「継承」へ17 第3節 伝統文化の「保存」から「学習」「継承」へ259
元のページ ../index.html#275