北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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北海道ウタリ協会登別支部「ラ・オマップ及びカムイノミの御案内」 ••記  ••••一九八八年一〇月一〇日各位社団法人 ラ・オマップ及びカムイノミの御案内仲秋の候、皆様には益々ご健勝のこととお喜び申し上げます。さて、当支部では、「ラ法による鮭の捕獲実験及びカムイノミ(神への感謝の祈りの儀式)を、下記の日程で行ないます。「ラプ」とは、遡上する鮭を捕獲するための道具で、柳の木北海道ウタリ協会登別支部「ラ・オマップ及びカムイノミの御案内」一九八八年北海道ウタリ協会登別支部  支部長 オマップ」という古式漁獲(北海道立図書館所蔵)で作った胴のことを言います。アイヌ民族は古来よりこれらの方法で鮭(カムイ冬季間の大切な食料としてきたのであります。ところが、明治政府はアイヌ民族の漁業権を一方的に剥奪したため、大切な食料を得るためのこれらの漁法は姿を消していきました。平取町では、戦前頃まで時折このラを使っての漁獲が見られたそうで、昨年は当支部文化部長の川上源三氏が、祖父の行なっていたラ使っての鮭漁の記憶を頼りに再現してみました。今年は、二風谷アイヌ民族資料館館長の萱野茂氏の全面的な指導貝沢公男㊞ と協力を得ながら準備を進めております。カムイノミ終了後に()に鮭鍋をつつき〝チタタップ〟などの民族料理を味わいながらの全道のウタリ、市民を交えての懇親会を行ないますので、多数ご参加くださるようお願い申し上げます。、オマッ※場所    ママチェップ‥神の魚)を捕獲し登別川河口より六〇〇m上流の地点[登別市登別本町二丁目オマップオマップを21 268第1部 社会・文化 第4章 戦後社会の中のアイヌ民族の生活と文化

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