北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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第一回「アイヌ民族文化祭」パンフレットより孫に伝承していただきたいものと考えております。思うに今後北海道においてアイヌ文化以外のもので、国の重要無形民俗文化財の指定を受ける機会はおそらく二、三百年が経過しなければ北海道独自の文化としては生まれてこないだろうと考えるからです。このようなことを考えると今回の指定は単にアイヌだけの名誉ではなく北海道全体の誇れる名誉とも考えられましょう。今回の行事が以上の趣旨を十分ご理解のうえ、ご鑑賞いただけたら主催いたしました私どもにとっては誠に幸甚の到りでございます。北海道ウタリ協会『アイヌ民族文化祭 ヌカラン・ピラサレヤン して今』一九八九年三月(北海道立図書館所蔵)北の歴史・文化・そヌヤン・ご このたび、第一回「アイヌ民族文化祭」が札幌サンプラザに於て開催される運びとなり、長年の夢がここに実現されることは、このうえない喜びであります。この文化祭の開催にあたり、文化庁、北海道開発庁、北海道、北海道教育委員会をはじめとして各関係市町村、各関係機関、企業、団体等の多くのご支援をいただきましたことは、誠に感謝にたえません。今日、北の歷史住民族としてのアイヌ民族が永々として培ってきた貴重な文化を、今ここに自らの力によってこの文化祭と言う形で企画、開催し、多くの方々にご鑑賞いただきながら、より正しく理解していただけるものと大きな期待を持っている次第であります特に「アイヌ古式舞踊」は、昭和五九年一月に国の重要無形民俗文化財の指定を受け、さらに昭和六二年度よ挨 社団法人北海道ウタリ協会  文化が見直されてきている中で、先 •      拶理事長 野村義一 第1部 社会・文化 第4章 戦後社会の中のアイヌ民族の生活と文化23 270

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