〈中略〉全道三十ヶ所の保健所中枢要地区弐拾ヶ所に防疫出張所を新設し防疫職員を配置し最も大切な細菌学的早期診断の実施と決定開業医の良心的積極的なる防疫指導等二十二年度より発足することになつた２．市町村への指導対策進駐軍供与のＤＤＴ撒布及発疹チフスワクチンの接種（爾後は日本製のＤＤＴ及ワクチンは有料とする）を実施して之が防疫対策を進めてゐる開業医及市町村吏員の指導に関しては機会教育と保健所地区別に各々指導連絡打合会等を催して遺漏ない様実施してゐる尚町村衛生係吏員は兼務者が多いため業務の円滑なる遂行を欠く慮）多分にあるので（現在までに数件あり）目下専任者の配置について関係町村と連絡中である伝染病の蔓延防止上最も大切な隔離病舎（伝染病院）の新設（増改築）を要する市町村の多いのは遺（處カ３．鼠族昆虫駆除実施について４．花柳病について 憾とする処である之が整備については市町村を督励して適切な指導を準備してゐるが資材及財源難で難航してゐる鼠及昆虫の媒介によつて発生又は伝染する伝染病も昨年中発疹チフス二、四八〇名、マラリア初発三一再発九三七名を算してゐて之が対策については連合軍の指導に基いてＤＤＴ（一％粉末）一三三三〇封度液体ＤＤＴ（五％）九、一四五ガロン三％ＤＤＴ混入デーゼル油七、九五〇ガロン、デーゼル油二七、五〇五ガロンその他厚生省割当並に当庁で斡旋した薬品代金は四、九一七、七〇〇円に達してゐるが輸送季節の関係で充分なる効果は期待出来なかつたが本年は総合的な計画に基いて強力な施策を考究中である昭和二十一年一月二十一日連合軍最高司令官総本部より日本政府に対する覚書により日本に於ける公292第1部 社会・文化 第5章 保健・福祉・医療
元のページ ../index.html#308