北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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 l   lが少く、ポリオの浸染を受けないいわゆるSoft依然として残されていることは、今後の対策如何によつては来年も大きい流行がSoftことを暗示するものである。また、地域別の患者初発月日を時間のVectorしてみると、おおよそ夕張市をFocus円を画いて南北に遠心的に流行が伝播して行つた傾向が窺われ、本道の発生が地区的にズレている現象が認められる点は興味深い。つぎに性・年齢別の罹患状況であるが、全年齢では男子は女子の一・二倍高率であり、最高年齢は女子の四一歳、最低年齢は男・女とも三カ月である。対患者総数比率では、図六〈略〉に示すごとく、男・女とも一歳にPeakがあつて、男子三八・二%、女子では三八・六%を占め、次いで〇歳の男子一九・六%、女子では二歳の一七・七%、つぎが二歳の男子一六・八%、女子では〇歳の一七・〇%で、三歳以上の年齢層では男・女とも急激に減少する。各年齢層とも男・女間に大差は毎週一~五名の発生があつたが、第二二週以降その発生は急激に増加して第三〇週以降は毎週六〇名以上の、第三四週以降は実に一〇〇名を突破する発生を示した。その発生曲線を全国の曲線と比較すると、全国の発生曲線の上昇が北海道のそれによつて大きく影響されていることがよくわかる。なかんずく、第二七週以降は全国発生の約三〇~六〇%を占めている状況で、いかに今回の流行が大規模なものであるかが理解できよう。つぎに、今回のポリオ蔓延地区は、炭砿地帯あるいは市街地なら下町のように、いわゆる環境衛生状態が不良で、人口密度が高く、過密居住の生活水準が低い地区に多い傾向が窺われるのであるが、試みに人口一〇万対二〇以上の多発地区をPotしてみると図五〈略〉のごとき分布図となる。すなわち、石狩・空知地区を中心に本道中央部をほぼ南北に貫ぬく地域に密集しており、北は中頓別・湧別周辺、南は日高・室蘭周辺に達し、特異な地区的分布を示していることがわかる。しかしながら、渡島半島、十勝以東の地域および天北地帯には患者発生としてほぼ同心SpotがSpotを中心に起るだろうでPot305第3節 疾病とその対策

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