北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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Infectivity及びVirusないので、性差を無視して、〇歳から三歳迄の年齢層で全患者の八二・四%、六カ月から二歳迄の年齢層で七一・七%を占めていることになる。一方、人口一〇万対罹患率で観察すると、図七〈略〉のように、各年齢層を通じ男子は女子より高率であるが、やはり男・女とも一歳にPeakがあり、男子七三一・〇、女子五八四・〇。次いで六カ月以上の男子六五〇・〇、女子四六〇・五、二歳の男子三二四・四、女子二八三・一、三歳の男子一五〇・二、女子一三三・五、五カ月以下の男子一二二・三、女子七六・三の順序となつており、年齢別にみた場合、今回の流行の主体は一歳をPeakとする〇歳から三歳、特に六カ月より二歳迄と言えよう。ただし、従来五カ月以下の罹患は少いとされていたポリオも三カ月以上になると罹患率も決して低くなく、特に男子において高率なことは注目すべきである。ここで、昭和三一年以降の年次別に年齢別罹患率を観察してみると、図八〈略〉に示すごとく、前述した隔年流行の起伏が年齢別罹患率の推移にも明らかに認められPeakが存在することである。つまり、欧米諸国においのPeakがより高い年齢層に移行する現象―いわゆる、るが、特筆すべき現象として、毎年一歳に罹患率のて認められるごとき、年次が進むにつれて罹患年齢分布浸染度年齢分布の後退現象全く認められない点も注目すべき現象であろう。すなわち、北海道においては、日本全体でも同様であるが、ポリオ感染に対する感受性者の割合は年齢的には全く同じで、一歳をPeakとする幼若年齢層に常に存在し、この点、ポリオ・ウィルスの蔓延度は本道の場合進んでいることを物語つている。従つてまた、この度の流行も単に宿主側の抗体欠如という因子のみでは説明し難く、病因側の因子、特に問題および環境因子をも考慮しなければならないであろう。以上が罹患の概況であるが、死亡の状況について触れ  ― ると、地区別には表一〈略〉のごとく、主な集団発生地区について観察しても、罹患率はもとより、死亡率、致が本道のポリオ流行ではのVirulenceの306第1部 社会・文化 第5章 保健・福祉・医療

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