北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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生涯治療不可能のレッテルを貼られたスモン患者に対して行政はウイルス感染を恐れて登録制度を設けその監視下に置いたにもかゝわらずスモンとキノホルムの因果関係が判明するとその原因も責任も不知として積極的なスモン対策を取ることもせず裁判の結果待ちという姿勢を一貫としてとり続け患者らを放置して来たのです。スモン裁判全国九地裁に於て被告である国と製薬三社の責任は法的に明確に認められました。そして昨年九月十五日スモン早期解決を求めて判決を基盤とした確認書が厚生省に於て交わされ調印に至りました。スモン患者と家族の肉体的、精神的、経済的苦痛が生涯消える事がないという事は既判決内容によって明確に示されており何よりも行政に携る皆様が御承知の事と思います。厚生大臣も〝空前のスモン被害が発したこと、行政の対応に迅速を欠いたことを痛切に反省し、患者の恒久救済に全力を傾ける所存〟と述べています。ぬぐい様のない矛盾の中で健康に生きる権利、人間にとって最も尊ばれるべき生存の権利を奪われなければならなかった私達スモン患者と、患者の受けた被害を共に身に受けて生きなければならない家族が少しでも人間らしい生活を回復するためにも、今こそ自治体はスモンの恒久対策を総合的見地から施策を講じていただくべく要請致します。二、治療対策㈠ ㈡ 三、生活対策重症者対策病院内患者の対策強化在宅重症患者対策強化訪問ヘルパー、訪問看護、訪問医療介護費用の支給(増額)治療法開発と地域医療の充実治療法開発リハビリーテーション、病院設置の際のスモン対策の強化スモン専門医或は神経内科医等によるスモン治療法の開発と充実310第1部 社会・文化 第5章 保健・福祉・医療(ハ) (ロ) (イ) (ハ) (ロ) (イ)    

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