北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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こうした新しい時代に対処するためには、公衆衛生の分野における専門的な技術者の養成及び再教育を急ぐ必要があるが、現在、現任職員教育訓練、中央研修派遣等による部分的な研修を実施しているだけで、現実の諸問題に対処できる訓練体制が確立されていない。⑥ 衛生部における企画機能の貧困北海道には北海道独自で解決すべき特殊な課題が山積している筈である。現地の保健所から指示される諸問題、部内各課において抱えている諸問題等を一本に掌握し、それらに対するマスター・プランの策定がなされなければならないが、残念ながら衛生部にはこうしたビジョンの持合せがない、つまり課題があっても、それをビジョンとして策定する頭脳がない。医務課に企画係が新設された時、衛生行政のビジョン策定に大きな期待を寄せたところであるが残念ながら衛生部にはこうした行政全般についての企画・調整の機能を発揮する体制になっていない。保健所運営についての連絡調整の窓口として保健所係があるが、これとて施設の維持・管理の仕事に追われ、事業面での連絡調整の機能を持ち合わせていない。現状における保健活動の姿は、衛生部は国からの縦割事業の消化のみに忠実になり、保健所はこれに添って衛生部各課から割当てられた事業をこまぎれに消化するのに終始している。(北海道労働資料センター所蔵 一七 S一五四)314第1部 社会・文化 第5章 保健・福祉・医療   九-  

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