小樽の復興は運河の観光・文化開発から小樽運河は市民の誇り、国民的財産小樽運河と石造倉庫群は小樽っ子のふるさとであるばかりでなく、日本の三大町並み景観の一つと言われるほど全国に誇れる郷土の宝です。その活かし方しだいでは、北海道を代表する観光資源として全国の注目を集めるでしょう。運河保存のメリットは一、〇〇〇億円の経済効新しい観光資源のとらえ方は、地域経済の活性化の視 果 高い資源性から年間五〇〇万人の観光客をひきよせ、関点です。運河を保存し環境を整備すれば、その全国に名連する商業、文化産業、工業などの年間一、〇〇〇億円の経済活動、一万人のあらたな雇用機会の創出、中心市街地の再開発による三万人の人口増など地域の経済、社会の活性化も不可能ではないでしょう。停滞する小樽の経済にとって、運河を観光に活かしたまちづくりは最大の武器となり、市民生活にも大きな影響を与えることはまちがいありません。いま運河埋め立て工事が直前に迫り、市民ひとりひとりが町づくりの視点から真剣に運河問題を考えねばならない事態に立ち至っています。商工会議所首脳の保存声明をはじめ、現在、運河保存に向けて幅広い市民の声が高まりつつあります。運河の活かし方を決めるのは市民ひとりひとりの力です。運河の海側の市道を四車線に拡幅し、運河沿いの二車線道路を整備すれば問題は解決します。責任ある機関によるとこのことは可能で、しかも工事費は今の計画より安く、事業費は国や道の補助金で大部分まかなえます。立ち退きの必要な建物は二棟で、合意も得られます。一部廃止される臨港鉄道は、現在ほとんど使われていません。計画変更で、長橋バイパスの建設が遅れることはありません。運河をよみがえらせるのは市民の力道路代案は費用も安く実現可能保存した運河を美しくする事業制度365第1節 「高度経済成長」と大規模開発と社会運動
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