北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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生活クラブ生活協同組合設立趣意書戦後の高度経済成長期を経て、私達の暮しは、豊かで文化的な生活が営まれていると思われております。しかし、その反面、工業化社会への移行に伴い、その副産物によって自然環境の破壊、人体への悪影響など、自然のサイクルに異変が起きていることは周知の事実です。このような社会環境の中で、私達はいま、本当に豊かで文化的な生活とは一体何なのか、ということを真剣に生活クラブ生協の理念生活クラブ生活協同組合設立発起人会「創立総会議案書」一九八二年考えなくてはならない時期にきているのではないでしょうか。自給自足が原則であった食べ物が、食品となり、商う物として、生活者の立場を無視して生産されるようになってきてしまいました。食べ物だけではありません。レジャーや教育までもが売買される世の中になりました。こうなってしまったのは、私達自身が、甘い宣伝文句に踊らされ、物の価値を正確に捉えることなく、安易に流されてきてしまった生き方に問題があります。いま一度、現在の生活のあり方を問い直し、その上に立って、私達生活者が、本当の豊かさを追求していかなければならないのではないでしょうか。その為には、私達が生活に必要とする安全で、素性のたしかな物を納得のいく価格で手に入れる手段として、ひとりひとりが協同する意識を持って、参加し、考え合う場が必要になります。すでに、東京・神奈川・埼玉・千葉・長野では、約一        〇万人の主婦が自発的な協同の場として生活クラブ生協第四節 「主婦」の社会運動参加生活クラブ生活協同組合設立趣意書392(1) 第1部 社会・文化 第6章 社会運動【市民・環境・政治運動】18 

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