北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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また、五八年八月の原子力委員会「放射性廃棄物処理処分方策について(中間報告)」では、深地層試験地が、最終処分地になることを明記しており、現に、政府見解でも、『最終処分地にしない』との明確な発言はありません。危険な高レベル廃棄物の輪送のリスク一つとっても、「貯蔵」が「処分」になるかもしれないという、多くの道民の危俱)は、当然の結論と言えましよう。私たちは、今後、何百年、何千年にもわたって、核汚染の恐怖と向合って暮さなければならないような、幌延町の「貯蔵・工学センター」設置に強く反対し、従って、その立地環境調査についても、必要無いものと判断します。貴職におかれては、事情ご高察の上、すべての計画を白紙撤回されるよう、強く申し入れます。(北海道労働資料センター所蔵 (ママ一四 S二二七一)北海道知事堀   様    〇- 私たちは、長いあいだ北海道を揺るがせてきた「幌延問題」について、「酪農や漁業にマイナスになる」「平穏な暮らしを脅かさないでほしい」という思いから、放射性廃棄物関連施設の立地計画に反対してきた道北住民の集まりです。本日、私たちは貴職に直接お会いして住民の訴えをお伝えするため、牧草の刈り入れなど忙しい仕事を家族に頼んで、道庁にやってきました。道北地域は、酪農や漁業を中心にした食料生産地です。農漁業を取り巻く情勢がきびしさを増し、後継者問題が深刻化するなか、処分地につながりかねない深地層研究所(仮称)の立地を受け入れるならば、一次産業や地域達也 「核のゴミ捨て場」を懸念する道北住民からの訴え市民ネットワーク北海道「幌延問題資料集1政府・核燃料サイクル機構関係」二〇〇〇年深地層研究所反対の申し入れ404第1部 社会・文化 第6章 社会運動【市民・環境・政治運動】26 

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