この姿勢は、千歳川放水路問題の重要性から尊敬すべきものであると考えております。私どもは、千歳川放水路をめぐる議論の進行が膠着状態となってしまった原因の一つが、関係者への情報の公開・共有が十分になされていなかった(めと考えています。また、一五年間にわたって事態の解決に向けた動きが生まれてこなかった最も大きな原因の一つは、情報の公開・開示が為されてこなかったために議論が建設的に前に進まなかったことであると、今や各方面から指摘されています。今回の検討会にあたって委員会が果たすべき役割は、これまで治水効果だけを優先させて、一方的に展関されてきた治水策を、情報開示とコミュニケーションによって合意形成が可能な現実的な治水案に転換することにあると考えられます。委員長が先にご指摘になったように一〇〇%完全な治水案が存在しないことが明らかである以上、現実的な治水策が必要となり、そのためには関係者の合意が必要とた脱カ)なります。ご承知のように各方面の合意にあたっては、情報の開示、共有、関係者のコミュニケーションが何よりも必要です。しかし、去る一〇月一三日に開かれた千歳川流域治水対策検討委員会後の質疑応答では、私どもが一〇月七日付けで提出した要望書に対する委員会の検討がまだきわめて不十分であることが明らかとなりました。私共の要望にかかわらず、委員会はいぜんとして原則非公開とされ、また唯一、予定されている議事録の公開すら大幅に遅らされているのが実状です。さらに、意見聴取のありかたや、合意形成にいたるまでの今後の検討の進め方に関しても、一〇月一三日の千歳川流域治水対策検討委員会からは何らきちんとした御回答をいただいておりません。私共としては、このまま千歳川流域治水対策検討委員会が私共の要望について検討・回答されず、一方的に進められることを強く危惧し、ここにあらためて公開質問状という形式で、委員会に対する要望をさせていただき411 第6節 自然保護・環境運動の隆盛
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