北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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〔千歳川放水路と士幌高原道路〕道道士幌然別湖線(通称士幌高原道路)の調査について「士幌高原道路計画」担当 一 大雪山国立公園の南端部、十勝平野から急に盛り上がった山塊の中に「神秘の湖」と称される然別湖があります。今年大雪山国立公園の北にある層雲峡と三国峠を越えて通年開通した国道二七三号線沿いの糠平温泉と鹿追町とを結ぶ道道鹿追糠平線が然別湖へ通じる道路となっています。二 道道士幌然別湖線は、現在、上士幌町と鹿追町とに通じる道道鹿追糠平線とは別に士幌町側から然別湖へ士幌高原道路『札幌弁護士会会報』№三一一 市川守弘一九九五年一〇月通じる道路のことです。1 2 3 4 ではまず、この道路の生い立ちから見てみましょう。昭和三八年、士幌町側から山越えで然別湖へ通じる道路建設の話が持ち上がりました。道路の主な目的は山火事対策です。山の中で火事が起きた場合、道路がなければ消火作業ができないという理由からです。このときは町道として整備することになっていました。その後、大雪山国立公園の公園事業計画として、この町道が決定され、車道として公園利用の道路として整備することが正式に決定されました。この結果昭和四一年から国庫補助によって町道士幌然別湖線として建設が始まりました。さらに昭和四四年、道道士幌然別湖線として認定され着々と工事が進行していきました。しかし、昭和四七年、北海道自然保護協会がこの道路は自然環境を破壊するものとして反対の意思を表明し、鹿追町も議会で反対決議を上げました。丁弁護士会による調査413(2) 第6節 自然保護・環境運動の隆盛30 

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