トマム、サホロ、阿寒、大雪山などとの広域観光圏の形成* 公園利用などを挙げておりますが、山火事対策の点もトンネルであっても入口、出口まで消防車が入れることを理由に目的から外していません。2 このような目的から、道はこの道々士幌然別湖線の着工に意欲をもっています。本来、行政行為には目的と手段について、その合理性がとわれなければなりません。パンフレットの目的に十分な合理性が認められるでしょうか?3 ところで、当然のことですが、この道道士幌然別湖線の予定地は国立公園です。国立公園は自然環境を最重点に考えることが求められるものです。国立公園は国民全体の財産ですから、将来の国民のために手付かずのまま保全していくのが国の責務です。別の言い方をすれば生物多様性の保全の義務この紙面では結論は出しませんが、現在道弁連が調査 を行っています。是非とも現在、将来の国民の利益に立った先見的調査結果に期待したいと思います。です。国立公園の中に道路を作ることは、その分だけ自然を破壊することは紛れもない事実です。この自然破壊の結果、どれだけ周辺の自然環境に影響を及ぼすかは見当もつきません。道は、トンネルなので自然への影響は最小限に止めると言っています。しかし、前記のとおり地質、地下水、などの調査、またこれらが有機的に生物分布とどのように関わっているのかは未知の世界です。これらを解明することは現在の科学では不可能かもしれません。トンネルだからいいのだという議論ほど無責任なものはありません。膨大で緻密な化)学的データのもとでその根拠を明確にするのが道理と思われます。ただ、そのような資料は道にもありません。(札幌弁護士会所蔵)(ママ416第1部 社会・文化 第6章 社会運動【市民・環境・政治運動】
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