(理 由)現在、札幌市〔住 マンションの建設計画があります。この川沿いには河畔林があり、都市化が進んだ平岸、中の島地区にわずかに残されたひと続きの林として、また無機的な都市環境の中で唯一、心のやすらぎを与える景観として貴重なものとなっています。さらに、ここでは多くの野鳥が渡りの途中の中継点として羽を休め、水場として利用しています。また、この林の周辺流域では数年前より、札幌土木現業所が多自然型の川づくりを始めていました。このまま川と河畔林が保全されれば、都市住民が日常の生活空問の中で気軽に自然とふれあうことができ、近年、その必要性が盛んに叫ばれている、環境教育の場としても十分利用できます。しかし、いったんマンションが建設されると、貴重な景観が損なわれ、それに伴う建設工事では河畔林の植生が荒らされる恐れがあります。このように、市民の共有財産である川や河畔林などの周辺環境に重大な影響を及所〕の精進川沿いに一二階建てのぼすマンションの建設計画自体を市民はつい最近まで知る機会もなく、驚いています。一方、札幌市長は、約一年半前に、住民・行政・企業が手をつなぎ合って街の環境改善(例えば道をアスファルトで一律に舗装したり、河川の護岸をコンクリートで固めている現況を、より地球にやさしい状況へ変えること。)に取り組む「日本グランドワーク協会」の発起人に加わっています。協会に加盟している三島市、阿蘇の久住高原などでは、住民・行政・企業が一体となっての地域づくりの活動がすでに始まっています。また、昨年末には札幌市の環境基本条例が制定され、その前文に「恵まれた身近な環境、更にはかけがえのない地球環境を保全し、これを良好な状態で将来の世代に引き継ぐことは、私たちの願いであり、また、使命でもある。」と記されています。加えて、第二一条「情報の収集及び提供」には、「市は、環境の保全に関する情報の収集に努めるとともに、環境の保全に資するために必要な情報を適切に提供するように努めるものとする。」 425第7節 身近な環境を守る住民運動
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