北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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〔北海道重障者福祉村建設趣意書(主として脳性マヒ)〕局的にみて親と子との利益になるのみでなく、国家全体としても非常な利益になることは明らかです。簡単に計算しても、約九千万近い人の三%即ち二七〇万人が、適所を得て安定するのです。之が利益にならない筈はありません。これが厳たる事実ですから。(北大教授)現在ある施設は、成人するまでの養護、教育には充分とはいえないにしろ、相当に配慮されているけれども、成人後については、ごく軽障の者しか社会自立の道はなく、重症であつても、人間としての社会自立に可能性を有しているのにもかかわらず、恵まれずにそれらが閉鎖されたままになつているといつた実情が至るところに散北海道重障者福祉村建設推進委員会『北海道重障者福祉村建設趣意書』一九六六年(北海道手をつなぐ育成会所蔵)〈略〉について、特段のご配慮と協力を賜りますならば、見されるのであります。このようなことを考えるにつけ、わたしたちは一日も早く、たとえ社会の庇護を受けながらも、人間として生きる場、つまりその人に与えられている可能性の開発ができる場を、社会に役立つ仕事がその人なりにできる場を、何とかして創設できないものかと、切実に思うのであります。訴えるに心動かず、言葉もなく、萎えた手足をかくまい、恥辱と屈辱のなかで、ほとんど親、兄弟、姉妹とともに死ぬまで悩み抜かねばならないCP〔(脳性麻痺〕を中心とした重症心身障害のために、わたしたちはわたしたちの美わしい郷里である北海道に重症心身障害者のための福祉村を建設してほしいという願望を強く抱いたのであります。   どうか、こうしたわたしたちの真情を汲み取つて下さいまして、「福祉村の構想」〈略〉をご参照の上、この趣旨にご賛同下さいますならば、誠に幸甚の至りと存じます。また、当面する重要課題であります次のことがら編者注)北海道福祉村構想430第1部 社会・文化 第6章 社会運動【障がい者運動】37 

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