北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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心で車イスオリエンテーリングを実施、地下鉄や道路、各種公共施設がいかに障害者に不便にできているか―を体験学習してもらった。今年はこの体験を基に、健常者と障害者との時間的ハンディを探ることにしたもの。地下鉄と国鉄利用の二班に分かれ、車イス利用者や視力障害、情緒障害、肢体不自由者ら介助者を含め三十人が参加、それぞれ郊外から都心を目指した。このうち、地下鉄利用班は西区西野二ノ二―地元()鉄東西線西二十八丁目駅―同大通駅―中央区南一西二のコースを設定、十人が参加した。西二十八丁目駅までは、車イスが自家用車、義足者がタクシー、視力障害者、老人、健常者がバスをそれぞれ利用、大通駅から地上へはエレベーター、階段の二コースに分かれたが、あとはほぼ同じ条件で行われた。この結果、最も早かったのは、健常者で三十五分。次いで老人五十四分、義足、視力障害者六十四分、車イス利用者が最も遅く六十八分もかかった。体験後、市民会館で報告会が行われたが、車イス利用者からは専用エレベーターは地下鉄五駅にしか設置されておらず「外出には極めて不便」「標識が少なく、他都市からの利用者にはわかりにくい」などの指摘があった。また、地下街には点字案内板やブロックがなく、視覚障害者の利用は事実上不可能、との声も出されていた。同障道協では、この日の体験結果から「施設、設備面での改善が進めば、かなり時間的なハンディは縮まるはず」と話している。今後、市などにその改善を要請していく考えだ。道は、三十日の知事と私たちとの話し合いが不充分なまま終ったにも関らず、一両日中にも意思表明することを記者発表しました。要  書   下 請 北海道総務部審議室道民課「陳情書 № 916~988 調査と人権の問題19冊のうち18号」一九八四年434第1部 社会・文化 第6章 社会運動【障がい者運動】41 

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