北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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育センター「きたえーる」は四〇〇〇人以上の人の熱気であふれていた。第六回DPI世界会議札幌大会の開幕の日である。「障害者の国連」とも言われるDPIの世界会議はどういうものだったのか。DPIは、障害の種別を超え、「すべての障害者の社会への完全参加と平等」、障害をとりまく問題には当事者自身がわれら自身の声された国際非政府組織(NGO)である。本部はカナダ    「」  にあり、現在世界一二〇カ国以上に国内組織をもつ。国連経済社会理事会では特別諮問資格、世界保健機構(WHO)の諮問資格などを有し、国際社会で活発に活動している。DPIは四年に一度、世界会議を開催しており、今回の札幌大会で六回目を迎えた。世界会議は、世界中の障害を持つ仲間が一同に会し、交流し、世界の情報を収集、交換、学習し、今後のDPI運動の方針を論議する場である。また、世界会議の前後にDPI世界評議会を開き、具体的な活動内容を決定する。を掲げ、一九八一年に創設世界会議の札幌誘致が決まったメキシコ大会から四年。438全体会や分科会といった会議の中身づくりや海外参加者の受け入れのほか、世界会議札幌大会の開催を機に、DPI運動を全国で展開するために二県を除くすべての都道府県で講演会や集会を開いた。また、会議場・移動体制の整備なども行ってきた。2  「すべての障壁を取り除き、違いと権利を祝おう」。これは札幌大会のテーマであるが、ここには社会への完全参加と平等を権利として確立し、ありのままの自分で生きる、というDPIの考え方が凝縮されている。札幌大会は当初、一〇〇ヵ国、二〇〇〇人(国内一二〇〇人、海外八〇〇人)の参加を目標としていたが、実際の参加者は初日のみの参加者を含め三一一三人(国内四六都道府県二二七二人、海外一〇九の国と地域八四一人)であった。ほかにボランティアが延べ人数で三三〇〇人。大変な熱気であふれる中、開会式はDPI日本会andRights! fromBarriers : Celebrating Diversity Freedom第1部 社会・文化 第6章 社会運動【障がい者運動】

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