意見を交換し、また、市内在住の女性の意識調査や意見交換会等から得られた要望を検討しました。市の権限も財源もそれ程大きなものではありません。とりわけ労働関係については、法律上市の権限とされる事項はほとんど見当りません。懇話会では、しかしながら、そのような条件の中で札幌市は何をなすべきかを考えました。約一年間の検討の結果、次のような考え方にたって、提言をまとめました。1.両性の平等の実現を基本理念として、すべての施策を行うこと2.男女の固定的な役割分担意識を払拭するなど、理念実現の障害となるものを取り除く方策をとること3.女性が社会的に不利な立場にある実情を直視して、政策決定過程への参加や登用、「札幌市総合女性センター」(仮称)の設置等、女性を男性と平等の地位に引きあげるための方策を講じること4.女性の地位の向上は、人類の発展と世界平和に密接不可分の関係にあることを常に認識すること5.女性の地位向上のために適切な行政措置を講じる提言の作成にあたっては、抽象的な一般論はできるだけ避けて、平易で具体的であるように心掛けました。提言は、札幌市が目的実現のために様々の施策を講じ 備るよう提案しています。それらのものは、市民生活全般にかかわるもので、行政の多くの分野にまたがっており、また相互に不可分に関連して、重なり合っているものも少なくありませんが、私たちは、次のような柱をたてました。1.男女平等の教育と啓発活動の推進2.女性の健康増進と母性の保護3.家庭生活の安定向上と働く女性の社会的環境の整4.女性の福祉の向上5.女性の社会参加の促進ことは、札幌市が住みよいまちとして発展を続けていくための基本的要件であることを、常に認識すること465第4節 男女平等参画社会を目指して
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