北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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ナイロビ世界会議〈一九八五年〉北海道のワークショップ 開会式の翌日から九日間にわたり、ナイロビ大学の教室やホール、或いは前庭等を使って毎日百以上のワークショップ(テーマ別話合いの場)や、カルチュラル・イヴェント(文化的催し)が開かれた。その他プログラムに載っていない色々の活動もあった。即興のパフォーマンス、民族の歌や踊り、まじないの様なもの、写真展、等々、校舎の前庭広場では、いつも何かが行われていた。日本の女性達が原爆の写真を並べて反核を訴えていた。大きないちぢくの木の下には、女性解放運動のリーダー、国際会議と道民女性の参加北海道生活環境部道民運動推進本部青少年婦人局『Oフォーラム報告書』一九八六年国連婦人の十年」 ナイロビ世界会議NG尾崎不二子アメリカのベティ・フリーダン女史が毎日午後現われて、474集まって来る人々と熱っほく語り合う姿があった。人の顔程もあるハイビスカスの黄色い花が咲き乱れる庭のあちこちでは、着ている服の話とか食べ物のこと、家計のやりくりなど、誠に女ならではのくったくのない話合いの輪がいくつもいくつも花開いていた。さて我々北海道のグループは、教育学部の最も人通りの多いホールの一隅を使って、北海道の紹介をした。先ず大きな世界地図を貼り、その横に北海道の美しい自然を描いたポスターを何枚も貼った。これに目を惹かれて多勢の人が立ち止まる。特に、冬の北海道を扱ったポスターは、人気の的であった。ケニアの女性達が色々聞きにやってくる。「街の中にも雪は降るのか。ケニアでは、高峰キリマンジャロの頂きには雪が積もるが」と云って、雪まつりの写真を驚いた様な目をして見ている。オホーツクの流氷を描いたものも、暑い国の人々には珍らしかった様だ。海が凍り、海が氷塊で埋まってしまうという自然現象に目を見張っていた。美しく、しかも迫力あ   「 (2) 第1部 社会・文化 第6章 社会運動【女性の人権を求める団体活動】51 

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