るポスターの隣りは、北方領土関係の場所にした。ポスターを二枚と、北方領土返還のための署名運動をしている婦人達が写っている写真と、英文の説明文を貼る。領土をめぐる争いは、人間の歴史始まってこの方、いつの時代にもあったことではあるが、我々が北方領土の話をした時、「日本にもそんな問題があったのか」と、興味を示した者と、「あなた方は政府の代表か。ここはNGOフォーラム(非政府間会義)だ。何か政治的背景があるのではないか」と、かなりきつい反発を示した者と、二通りの反応があった。いずれにせよ、遥か遠い北海道を紹介し、そこに住む人々の生活や抱える問題を知ってもらうことが、我々の目的の一つでもある。直ちに資料片手に説明を始めた。北方領土に関しては、道庁が出している「う英文の小冊子を八人が手分けして持って行った。それから、「目で見る北海道婦人」という、絵・図表・グラフを主体()した本を自分達で英訳して小冊子にまとめたものを八〇冊持参した。これらの資料は本当に役立っママTerritories」といた。今や日本女性の平均寿命は八〇才を超えるに至ったこと。子供の数の減少と家事労働の軽減化は女性の生活スタイルを大きく変えたこと。それにつれてライフサイクルにも、大きな変化が見られること等を表やグラフを示しながら話す。女性の労働市場へ)進出と積極的社会参加を説明する者もいる。子育ての終る四〇才代以上の主婦が、ボランティアの担い手として活躍している様を図表が説明してくれる。しかし、公の審議会への婦人の登用はまだまだ進んでいないことも図表が白状してくれる。道議会に女性議員が一人もいないことも、道の女性の現状を示す一例となって、ナイロビ大学の一隅で披露されてしまう。さすがに日本を知らない人はいなかった。しかし連想ゲームではないが、「ニッポン」と聞くと、テレビ、コンピューター、車、等の答えが返ってくる。経済大国、 ' 技術大国としての日本のイメージが強過ぎるのだ。戦後四十年。働き過ぎだ、ワーカホリックだ、と悪口(ママJAPANSNorthern475第4節 男女平等参画社会を目指して
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