〔第四回世界女性会議NGОフォーラム報告〕言われながらここ迄築いてきた男達と、その男達を支えてきた大多数の女達が現在直面している問題を少しでも理解してくれたであろうか。平均寿命の極めて低いアフリカ諸国の人々には、高齢化社会の抱える悩みは、どう響いたであろう。「文盲を無くそう」と叫ぶ女性達には、受験戦争や家庭科男女共修の話など、月の世界のはなしでしかないのであろうか。後で我々も他の国のワークショップに参加したのであるが、例えば、教育問題ひとつ取っても、各国の間に差があり過ぎて、同じ土俵では語り得ないとの思いを強くしたのであった。予定の時間が終りに近づいた頃、一人のアフリカ人がやって来て、貼ってある世界地図が欲しいと言う。日本が真中に描かれていて、しかも真赤な色がついているのが面白いのだそうだ。この学校の先生が言うには、アフリカで使っている世界地図は、アフリカが中央に位置しているとか。それを聞いてこちらも面白く思う。貼ってあったポスターや写真の類も希望者に進呈した。また、用意した資料や、北海道の花はまなすのバッヂも、それから団員の一人が折って持参した千羽鶴も無くなってしまった。参加してくれたアフリカ諸国やインド、パキスタン、北欧の女性達と固い握手をして、各々の立場で女性の向上のために働くことを誓い合って別れたのである。世界女性会議は、国連主催により世界の女性の地位向 上について討議する会議であり、一九七五年を「国際婦人年」とした国連の決定に端を発しています。すなわち、第一回会議は国際婦人年の中心的事業として、同年六月メキシコシティにおいて開催され、このとき「国連婦人北京世界女性会議〈一九九五年〉北京会議への道札幌市市民局青少年女性部女性企画課『さっぽろの女性』VOL.一一 (北海道立図書館所蔵)一九九六年三月476第1部 社会・文化 第6章 社会運動【女性の人権を求める団体活動】52
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