した。後半は、マスゲームや民俗舞踊、京劇などが華やかに繰り広げられ、ラストには「蛍の光」が流れる中、場内総立ちで互いに手をつなぎ大合唱。翌日からのNGOフォーラムの成功を予感させる、感動のフィナーレとなりました。世界の女性たちと会場で連日繰り広げられたワークショップの数は、一日に約三百ほど。まず分厚いプログラムブックから自分のお目当てのワークショップを探し出し、地図でその開催場所を確認しておかなければ、一日の行動は始まりません。そのようにしてやっと会場にたどり着いたのに、ワークショップ自体がキャンセルだったということもしばしばでした。人権、平和、女性への暴力、環境問題、貧困そして健康など、ワークショップのテーマは多種多様で、女性問題の解決にはさまざまな分野からアプローチしなければ〈中略〉ならないことを端的に示していたように思われます。またワークショップの場では、だれでも自由にその意思を表現できるのだということも、ごく当たり前のことですがあらためて認識させられました。 「私はこのようなことを討論するために、このワークショップに参加したのではない。もっと違う観点から話してみましょう」、「英語だけではなく、違う言語も使用してほしい」。ワークショップの運営に関することまで、女性たちは各人でしっかりと意見を持ち、熱心に主張します。また、内戦で肉親を奪われたルワンダの女性のためにその場で募金が始められたり、戦時下で暴力の被害を受けた女性が発表中に声を詰まらせたとき、励ましの大きな拍手が沸き起こったりするなど、女性たちの力強いきずなと、問題を共有しすぐに解決へのアクションを起こす行動力に、新鮮な驚きとともに感動を覚えました。今回のNGOフォーラムで女性たちが得たものは、情 熱とパワーとネットワーク。次のステップをどのように踏み出すかは、何万という参加者一人ひとりの、今後の478第1部 社会・文化 第6章 社会運動【女性の人権を求める団体活動】
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