北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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8 十勝岳噴火の記録〈一九六二年五~七月〉Ⅱ 爆発時の状況札幌管区気象台大野調査官の報告(十勝岳火山調査連絡会議昭三七.八.三〇.於札幌市民会館)によると、爆発の事前現象としては、昭和三七年五月三〇日、上川郡美瑛町白金地区に震度一~二度と思われる地震現象が一日四回ほど起り、このことから火山活動は五月二三~二四日頃からすでに開始されていたものと推定されたが、実際には四月頃からあったのではないかともいわれている。一九六二年十勝岳噴火北海道新得保健所「十勝岳噴煙関係」一九六九年気象台は、火口から一・五Kmの地点に観測器を設置し、  もののうち、降下灰の大きさは、トムラウシ方面で二〇六月六日から観測を開始したとのことであった。噴火の時期については、六月二九日二二時三〇分頃から地震の微動開始があり、二二時四〇分に大きな変動があって最初の爆発が起り、引続いて六月三〇日二時四五分に二度目の爆発があったといわれている。当時の爆発に伴う状況としては、火口から東方に軽い灰様物質が降下し、重いものは昭和火口の方向に飛散した。そのときの飛散距離は最高約二Km、火口からの速度は一四〇~一五〇m/秒と計算されている。噴出物の中で災害に関係のあった㎜、かなりの距離にある斜里方面で四~五㎜であった。当日の噴煙高度は一二、〇〇〇~一三、〇〇〇mで、火口灰の粒度は一〇〇μ~一㎜、知床方面で五〇μあり、降下時間は火口附近で四~六時間、知床では一〇~九時間、網走では一二時間に亘り、更に当日の風向としては大雪山地帯の地理的条件より、低空及び中空の風向には余り左右されることなく、火山灰は地上より七、〇〇〇~八、(山カ)第三節 高度経済成長期の自然災害504第1部 社会・文化 第7章 自然災害と防災(1) 

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