9 一九六八年十勝沖地震と津波上富良野町―清富地区(四八戸、三二三人)は噴火口から六Kmの至近距離にあり、爆発のあったときからは連日夕刻から翌朝にかけて靄とともに亜硫酸ガスが流れたため、頭痛、吐気等の症状を訴えるものがあり、なお、旧噴火口から流れた泥流が川水に入り灌漑用水は使用できない状態となった。5.美瑛町地区美瑛町地区では、十勝岳山麓噴火口から五Kmの地点にある白金温泉の住民を美瑛町に緊急退避させたが、被害はなかった。6.陸別町地区陸別町地区では、当時営林署従業員中一八名が頭痛、吐気の症状を訴えたが、間もなく正常に戻った。(北海道立文書館所蔵 A一一三 一三三二)1 地震・津波概要今回の地震・津波の特性昭和四三年五月一六日〇九時四九分ごろ北海道・東北地方の全域ではげしい地震を感じ、北海道南部・東北地方北部では震度五、苫小牧では震度六であつた。震源地は十勝沖で震源の深さは約二〇Km、地震の規模はマグニチユード約七・八と推定され、有感範囲は中部地方の西部まで、半径八〇〇Km以上に及んだ。この地震のため北海道内では死者二名、負傷者一一九六八年十勝沖地震札幌管区気象台『昭和43年5月16日の「1968年十勝沖地震」に関する地震津波調査報告』(北海道浦河保健所「一九六八年十勝沖地震対策関係綴 昭和四十三年」所収)一九六八年508第1部 社会・文化 第7章 自然災害と防災 - (1) (2)
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