死者行方不明者を出している。特に災害救助法が適用になった五町村(大成町、奥尻町、瀬棚町、北檜山町、島牧村)をみると、死者に上り、全体の九八%を占め、被害者合計でも全体の八六%を占めている。これらの地域で人的被害が多数発生したのは、津波が原因であったと考えられている。死因については、道警本部発表によると、平成五年八月九日現在の一九九人中、溺死一三八人、圧死一八人(奥尻町奥尻地区の洋々荘の宿泊者)、脳挫傷一五人、焼死三人、その他二三人、不明二人となっている。檜山管内における被害北海道南西沖地震における檜山管内の死者者数は二一九人で、北海道計二二九人の約九六%を占めており、最大の被災地となった。中でも、奥尻町で一九八人と多数の死者を出した。次いで大成町の一〇人、瀬棚町の六人、北檜山町の五人と、管内一〇町中、四町で死者を出した。行方不明者の合計は二二七人他管内では、後志管内で九人、渡島管内で一人の死者行方不明者を出した。また、青森県下北半島(大間町)でも一人が津波により死亡している。檜山管内の重傷者及び軽傷者数は二六〇人で、北海道計三二三人の約八〇%となっている。奥尻町で一四三人、大成町で四一人、北檜山町で三二人、瀬棚町で二〇人、今金町で一五人の重軽傷者を出した。管内一〇町中、八町で負傷者が発生したが、上ノ国町と熊石町では、人的被害は負傷者も含めてなかった。最大の被災地である奥尻町における被害を地区別にみ行方不明ると、津波に襲われた奧尻町青苗地区で一〇七人、同初松前地区三二人の死者島内の海岸沿いにある集落の多くで被害を受けている。行方不明者特に島の南端の岬部分にあたる青苗五区では、地震発生の五分後に一〇m近い津波に襲われ、住民の三人に一人行方不明者にあたる七二人の死者また、奥尻地区にあるホテル洋々荘他一軒が、高さ約奥尻町における被害行方不明者を出したのをはじめ、行方不明者を出している。•• • •• ••• 521第4節 高度経済成長期後の自然災害
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