北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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有力なものは可成り大規模、重点的な伝道を行なつている。われわれも、このときにあたり、日本における唯一の公同教会である日本キリスト教団の一つの肢として、本道における公同教会形成の責任を負うものとして、新しい教会形成の幻を抽くベくあらたに迫られているのである。6 伝道圏伝道がもり上りつつある。全教区をあげての開拓伝道一〇年の貴重な体験を通じて「伝道はこれでよいのか」という真剣な反省を与えられ、計画性のある自主的・連帯的な伝道体制と地域社会に仕える教会の正しい姿勢を志向させられるに至つた。かくして教団の長期伝道計画に呼応し、教区内各地において伝道圏構想による連帯的体制の確立が計画されはじめている。道北地区―道北広域伝道圏伝道計画道央地区―道央広域伝道圏伝道計画日高、苫小牧地区―苫小牧広域伝道圏伝道計画中央農村教化研究所作製の伝道圏地図によると、本道には四〇の伝道圏があるが、その大部分に当教区所属の教会が配置されている。「北海道開拓伝道」は、本道における新しい伝道構想としての伝道圏伝道のための準備を果したといえよう。この点から、それは高く評価されるべきであろう。われわれは北海教区として、教団レベルにおいて遂行    された「北海道開拓伝道」の終了を前にして、この事業を引き継ぎ、これを更に進展せしめんがため、更に強力な伝道計画の確立を求められている。時恰も教団は「宣教基本方針」を定め、「伝道一〇ヵ年計画」を決めた。その内容は「教会の体質改善」と「伝道圏伝道」であるが、われわれはこの路線にもとづき、更に上に挙げた北海教区の特殊性を考慮しつつ、ここに「北海教区育成強化五ヵ年計画」を樹立した。これを広く全教区(〔〕団)および諸教区に訴え、北辺にある弱い肢のために更に積極的な支援と協力を主の名において求めんとするものであⅢ 教区育成強化計画後筆557第2節 経済成長期の教線拡大と葛藤

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