北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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られない。一九九〇年代になっても、新たなまつりやイベントが創造されている。資料16にあるパシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)がその一つである。PMFは一九九〇(平成二)年にレナード・バーンスタインが札幌で創設した国際教育音楽祭である。バーンスタインは開催の三ヶ月後に亡くなってしまったが、その後も毎年開催されている。PMFは、タングルウッド音楽祭(アメリカ)、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭(ドイツ)とともに「世界三大教育音楽祭」の一つとされている。YOSAKOIソーラン祭りも一九九〇年代に生まれた新しいまつりである。大学生たちが高知県北海道事務所の支援を受けながら、よさこいとソーラン節を融合させ、競技性を持たせた群舞を中心とするまつりである。資料17は、一九九二年開催の第一回の祭りとそれに合わせて開かれた北海道と高知の両知事を交えたフォーラムの様子を紹介したものである。その後、YOSAKOIソーラン祭りの成功に影響を受け、全国各地に「よさこい系」のまつりが広がっていった。一九九〇年代には、新たなまつりが創出されていく一方、まつりを整理する動きも出始めている。資料18の地元新聞の記事にある名寄市の夏まつりの一本化(一九九六年)はその典型例である。それまで、別々に開催していた「なよろのおどり」「水まつり」「名寄神社例大祭」「名よせまつり」などを統合し、花火やよさこいソーランのフェスティバルなども盛り込んだ新しいまつり、てっし名寄まつりを開催したことが紹介されている。573   解 説

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