北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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なんとかいい祭りを創り出そうという札幌の人々の熱っぽさが伝わってきます。通りすがりの市民を巻き込んで華々しく繰り広げられる祭り、名も知れず、人知れずに細々と行われる土俗的な祭り。それらがすべてそれぞれの顔でレンズの前に迫ってきます。いつの日か再び祭りに向かってシャッターを切るとき、かつて視野の隅にあった祭りも、ファインダーから溢れるほどに成長していることでしょう。さっぽろ・夏の音楽祭開催パシフィック・ミュージック・フェスティバル(北海道立図書館所蔵)札幌市『広報さっぽろ 6/26~7/14中央区版』一九九〇年六月パシフィック・ミュージック・フェスティバルは、世界的な指揮者であり、作曲家でもある巨匠レナード・バーンスタインの提唱で、音楽の振興と普及、そして交流をテーマに六月二十六日から七月十四日まで本市で開催されます。アジア・環太平洋地域から若い音楽家たちを集め、一流の音楽家たちが彼らを直接指導。そして、一つのオーケストラを編成し、その成果を演奏会で広く一般に披露するという教育プログラムを中心とした音楽祭です。若手育成を目的とした本格的な音楽祭としては、米国のタングルウッド音楽祭、西ドイツのシュレスヴィヒ・ホルシュタイン音楽祭などがあります。これらの音楽祭は、いずれもが優れた音楽家を輩出しており、その卒業生の多くが世界の一流オーケストラで活躍しています。バーンスタイン、マイケル・T・トーマスをはじめ、日本が誇る小澤征爾らがこの音楽祭で認められ、世界へ羽アジア・環太平洋地域の若き音楽家の育成8/7~8/12さっぽろ・夏の音楽祭(PMF)’90国際テューバ・ユーフォニアム札幌大会第3節 まつりへのまなざしの変化と更なるまつりの創造599   16 

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