川種羊場が調理や加工法を紹介した冊子を作成し、職員が道内各地を回ってこの冊子をもとにジンギスカンなど羊料理を広める講習会を開催した。ジンギスカンは道内でも戦前から一部の食堂などで提供されていたが、羊肉特有の「臭み」を敬遠する人が多いことから、同種羊場は一般家庭でも手に入りやすいリンゴやミカン、玉ねぎなどでタレをつくり、それに漬け込むことで臭みを抑える調理法を紹介、ジンギスカンが広く普及するベースとなった。一九五五(昭和三〇)年頃には、戦後の混乱が落ち着き、その後、到来した高度経済成長期にもたらされた社会変革は、穀類、いも類を主食とし、豆類、野菜類、魚介類を副食とする従来の我が国の食生活をも大きく変えた。肉類、卵類、乳・乳製品類の消費が拡大し、いわゆる「食生活の洋風化」に拍車がかかる。また、高度経済成長期には、インスタント食品、飲料等、新しい食品も続々と登場した。カレー、ラーメン、粉末ジュース、コーラ等炭酸飲料に加え、清酒、ワインの酒類、そして地域の特産物を活かした様々なご当地グルメ、スイーツ等、新商品が話題となった。飢えの心配が不要となり、多様な食を楽しむ時代を迎えたといえる。たものである。この資料は、北海道民が健康な暮らしを送るために、食生活改善を目指して、道民の栄養摂取量で課題となったカロリー、蛋白質、脂肪、ビタミン、ミネラルの摂り方を具体的に示している。これからの食生活の考え方は、カロリーを蛋白質や脂肪から摂取する、蛋白質(量より質を考える:卵・牛乳・魚介類・肉類・大豆など)、脂肪(料理での工夫:パンにバターなど)、カルシウムの摂り方(乳製品をスープ、シチュー、カレーやパンなど料資料3は、北海道消費者協会が高度経済成長期に食生活の現状と問題点を取り上げてまとめ、一九六六年に発行し食生活の洋風化第二節 食生活の洋風化、多様化653(1) 解 説
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