された、道建築課長や冬季オリンピック対策室長を歴任した財団法人北海道建築士会顧問である佐藤隆次による、一九四八(昭和二三)年に誕生した道建築部が七二年に住宅都市部に発展するまでを振り返った回想記である。歴代の建築部長である熊谷兼雄、谷重雄、小宮賢一、奥村胖、浅井正敬、梶山晃の部長時代の業績を回顧している。燃えない住宅展、北海道防寒住宅建設等促進法制定、岩内大火時のブロック造災害公営住宅建設、道立寒地建築研究所の設立、真駒内・江別・大麻の住宅団地開発、異色の建築部長たち、住宅都市部の誕生、道立寒地住宅都市研究所の旭川移転計画の経過を述懐している。駒内団地の開発について振り返った記事である。昭和三〇年代前半は都市への人口集中が進み、札幌市周辺では二万戸の住宅が不足し、毎年約五千戸の住宅供給が間に合わない状況であった。そのため、道は、札幌圏の住宅難と郊外への無秩序な膨張に対応すべく、真駒内、大麻、北広島の三団地開発に着手した。一九六三年には新住宅市街地開発法が制定されたが、同法に規定する新住宅市街地開発事業は、低価で良好な居住環境の宅地の大量供給だけでなく、公益施設も整備する総合的なまちづくりを目指したものであった。資料16は、前述の『建築・住宅都市行政50年の歩み 資料17は、二〇一五(平成二七)年三月の『北方型住宅1988~2013』における「北方住宅の概要」であり、郊外型大団地の誕生断熱・気密を制御する省エネ住宅そして21世紀へ』における高度経済成長期の北広島団地と真第五節 北方型住宅への展開660(1) (2) 第1部 社会・文化 第11章 食文化・住文化
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