北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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栄養パンにする必要があるが、現在技術的に考えられて居る様に、普通のパンに五%位の乳製品を加えることも、パンの小売値段の関係から仲々実行困難だと云う話である。然し、主畜農業経営による寒地の開拓地で、パンを主食の一部にとり入れる為め、部落で共同製パンをやる場合には、残乳又は脱脂乳を添加することによつて、立派な栄養パンができるのであるから、寒地開拓地では理想的なパン食を主食の一部に組み入れることは容易であると云わなければならない。以上述べた様な開拓地の主食切り替えについては、充分な指導啓蒙が必要であるから、その指導組織を確立する事と、経験に富んだ生活指導員を充分に配置することは、開拓地の食生活向上にとつて当面の急務である。(北海道立図書館所蔵)成緬羊の肉をマトン、仔羊肉(大体一年未満)をラム  と云い、通常ラムは肉質柔軟で直ちに食用に供せられるが、マトンは数日放置し熟成されたものを用いた方が美味である。羊肉の調理に当つて馴れない人は特有の香気を嫌う傾向があるので、これを除く様に料理することが大切である。羊肉の香りは体表面が比較的強いから表面の組織、筋膜、脂肪等をなるべく丁寧に除く。又羊肉の匂は揮発性脂肪酸によるものと云はれているので、之を除く為熱湯に入れさつと煮ると匂は薄くなるので酢又はレモン汁の中に漬けておいたり、之を入れて煮ると匂がⅥ 羊肉の調理法調理上の注意道立滝川種羊場の活動北海道立種羊場『羊肉の調理・加工法』一九五四年2 羊肉の普及663第1節 食生活の変化の兆し(2) 

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