うと思うのです。と述べている。歴代長官の就任年月の計算をしてみるなど、京大数学家を志したことのある、いかにも数学好きの田中さんらしくて面白いが、田中さんのいいたかったことは、北海道の寒さに対応する住宅が絶対必要であるにもかかわらず、それができなかったことが何故なのか、それは歴代長官の任期が短かすぎたことにある、と締めくくっている。(北海道立図書館所蔵)北海道には本年四月一日現在なお八万戸の顕在した住 宅が不足しておりますが、更に不良住宅や過密居住及び空家率等を考慮した潜在不足を加えますと約十二万戸の住宅不足と推定せられるのであります。もとよりこの不足数は実態調査の結果に基くものでなく推定によるものでありますが、今これを本道の全世帯数に比較してみますと約十六%の比率となるのでありまして、道民は七人に一人の割合で住宅に困窮していることゝなるのであります。北海道の住宅事情とその対策一、北方生活文化確立のための寒地住宅北海道住宅建設協会『北方住宅』一巻一号一九四九年一二月九谷竹市 北海道の住宅事情とその対策690第1部 社会・文化 第11章 食文化・住文化【住文化】(2) 10
元のページ ../index.html#706