区別住宅一戸当住宅一戸一年次居住人員当昭和十六年五・三六人昭和廿三年五・九一家借数畳二三・〇二枚四・二九二七・七二%二一・二八三・六〇三五・三七家給与住宅六五・九八%六・三五%五一・二九一三・三四 畳人数当持 三・五三%となつております。しかしてこれらの条件によつて今日の住宅事情を解明しようとするのであれば、さらにこれを市部と郡部に分ち住宅事情の良かつた時代のそれと比較研究して見なければならないのでありますが、その全部については資料に乏しいので今札幌市におけるものを昭和十六年(この時もすでに住宅難でありました)のものと比較して見ましよう。これによつてもいかに現在の住宅難が深刻であるかがうかがわれるのであります。この表で見ますと住宅一戸当りの畳数は昭和十六年より一・七四畳少くなつたのにかゝわらず、居住人員が〇・五五人増加しており、住宅居住者の一人当畳数は〇・六九減少しております。これは住宅が小さくなつたのに反し居住者が多くなつたこと、すなわち過密居住を現わしているのであります。つぎに所有関係を見ますと持家が増加しその反面借家が減少しております。これは戦後建設された住宅は持家であり採算のとれない貸家が建設されなかつたことを現わしたもので、借家を求める勤労庶民階層にとつてはこれが問題なのであります。ただ給与住宅の増加は、その従業員に対する厚生施設の向上進歩をもの語るもので誠に喜ばしい現象であります。住宅調査の結果は以上の通りでありますが、種々の面から観察しますと、住宅の不足数は約十二万戸と推定されるのであります。今後対策の樹立上重要な要素と思われますので、今その不足の原因を次に掲げてみましよう。一、戦前からの住宅不足が継続していること。二、建物疎開による喪失があつたこと。三、戦災による喪失があつたこと。四、戦時中の供給不足が累積したこと。五、外地引揚者の定着が多いこと。六、開拓入植者が増加したこと。692第1部 社会・文化 第11章 食文化・住文化【住文化】
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