七、石炭増産による需要が増加したこと。八、人口増加率殊に自然増加率が高いこと。九、世帯数の自然増加ことに結婚率が高くなつたこと。一〇、災害による損失が多いこと。一一、老朽による自然減耗が多いこと。三、質の現状につきましては、昨年の住宅調査においても い暖い地方のものとあまり異ならず、北海道特殊の気候これを調査していないので数字的には判明しませんが、住宅の大部分が木造住宅であり、また構造的にも雪のな風土を考慮した構造をあまり見受けられないので、それがため凍害による破損腐朽が甚だしく住宅の寿命を短縮させ、また冬期暖房用燃料の浪費となり、道民生活の文化経済保健に悪影響を与えているのが現状でありまして、本道の開発を阻害している一因となつているのであります。また年々火災による尨大な損失もこの質の問題であつて住宅緩和の障害となつております。質の悪い原因はなんであるか、なぜもう少し質の向上ができなかつたかにつきましてその原因を次に挙げて見ましよう。一、開道以来八十余年より経過していないため、北海二、開拓に従事した先人に北海道に土着する念が稀薄三、構造的に寒地向の特別工夫が払われていないこと。四、主材料が道産のエゾ、トドでスギ、ヒノキなどに五、開拓史上住宅政策の貧困道に固有の文化が確立せず、北海道にそくした住宅の型式や生活様式の解決ができていない。住宅の大部分は一代目早くて二代目のもので本格的の改善を実施する段階に至つていないこと。であつたこと。これがため住宅を一時的のものと考え、住宅に対する投資を尠なからしめ、また企業者にしても住居施設を等閑視した嫌いがあつたこと。比し耐用年限が短いこと。開拓行政において住宅を拓地殖民による自然発生的にまかせ、特別の指導も助成もせず放任的であつ693第1節 戦後の住宅政策のはじまり
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