北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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ると綺麗な景観が形成できることなど、北海道の風土に対応したトータルな住宅様式を整えているといえる。しかし、玄関ホールや便所、中二階、浴室は暖房からはずされていたので寒かったこと、接客を兼ねる居間から台所が丸見えになること、居間の窓面(ベランダ)に大規模な結露が発生することなどの欠点もあった。その欠点を克服すべく、その後はさらに技術開発が進み、省エネ住宅や北方型住宅などへと展開している。(札幌市図書・情報館所蔵)防寒的には極めて貧弱であった道内の住宅を、根本的に改善させた原動力は、昭和二八年に施行されたいわゆる防寒住宅促進法であったと言ってよいが、当時この法律は住宅の不燃化と木材節約という課題を背景としたものであった。この法律によって推奨されたブロック住宅は、当初断熱性能が不充分であったことと、入居者が従来の隙間だらけの木造住宅の場合と同様な過剰水蒸気発生の生活方式を持ち込んだために、それまでの住宅では全然意識さ寒地住宅を考える㈶北海道建築指導センター理事長北海道大学名誉教授 ブロック造住宅の課題北海道建築指導センター『センターリポート』№一一 一九七五年八月工博 大野 和男寒地住宅への移行と新たな課題701第3節 防寒住宅促進法と課題  (2) 14 

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