北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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札幌に美術館を作ろう 北大、植物園内に敷地提供?札幌市に美術館建設の運動が道内美術関係者の間で進められ、三十一日札幌市市民会館で開く第二回北海道文化集会=会長九島勝太郎氏=で正式に取り上げられることになり、同集会運営委員会ではすでに美術館建設特別委員会を設け募金運動などに乗り出した。この美術館建設問題は道内に美術館が一館もないことからかねて美術関係者の間に設置が要望されていたものだが、昨年の文化集会結成のさい話が出て、各文化団体『北海道新聞』一九六〇年一〇月二六日文化集会乗り出すの意向が一本にまとまり、実現に一歩踏み出したもの。まだ具体的な構想や金額は決まっていないが、計画によると道内美術家が自由に利用できるギャラリーを持ち、館内には北海道美術界の過去、現在を象徴する作品を収め、文字どおり美術の殿堂とする予定だ。このため道内在住の著名な美術関係者で美術館建設特別委員会を設置して募金募集を始めた。これは会員相互の募金のほか全道展、道展など道内美術団体で基金募集美術展を開き資金を造成しようというもので、手はじめに十一月中旬札幌市丸善ギャラリーで基金募集道展会員小品展を開くことになった。また全道の文化団体に呼びかけて十円募金運動を行ない、目標達成まで強力に運動を展開する。このため同会では三十一日の文化集会で『美術作品発表の場について』という分科会を設け、詳細な具体案を検討した結果、道都市連合会などにも働きかけて援助を求める方針だ。この計画に対して植物園の一角を敷地に提供してもいいという話が非公式ながら北大との間に進められ実現に大きな期待が第二節 美術館設立運動6 設立運動のおこり第1部 社会・文化 第12章 美術・文学【美術】    (1) 「北海道美術館」設立運動732

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