北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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5 王子製紙アイスホッケー部の活躍第五節 大正十五年「イーグル」という名称で発足した王子ア   プロテクター、軍手を重ねたグローブに身を固め、近郊イスホッケー部は、五十一年十月二日創立五十周年を記念して、会社幹部、往年の名選手、現役選手その他関係者多数が出席して、苫小牧工場成志会館で祝賀会を催した。発足したばかりのころは、手製のスケートに野球のの沼の自然リンクで、勤務の余暇に練習を重ねたものであった。費用も自前で賄う全くの同好の士で結成された「イーグル」も、先輩から後輩へ受継がれ五十周年を迎える昨今は、あらゆる面で大きく様変りしている。しかし、この五十年の間さまざまな曲折を経ながら、猛練習『王子製紙社史 アイスホッケー部創立五十周年戦後三十年の歩み』一九八二年の積み重ねによって鍛えられた不屈の根性とフェアプレーの精神は、部の伝統として受継がれたのである。百四十五日ストは労使間に大きな心の傷跡を残し、アイスホッケー部もまたその渦中に引込まれて、一時は選手間相互に不信の感情を生んだが、OB、現役選手たちの伝統を守ろうという再建への心意気が、あらゆる障害を乗越えいち早く立直りをみせた。会社もこの気運を積極的に支援し、体育館の整備、有力選手の補強等を積極的に進め、伝統ある工場スポーツの強化育成に努めた。特に西武鉄道アイスホッケーチームのリーグ加入により、アイスホッケーは新時代に突入し、冬の大衆スポーツとして大きく成長した。同部は五十一年全日本選手権大会に優勝を果して、創立五十周年に華を添えたが、この全日本選手権には二回にわたり三連覇という輝かしい戦歴を含み、十七回覇権を握る不滅の金字塔を打ちたてた。その他三十九年には全道選手権、全日本実業団選手権、NHK杯、全日本選手権を独占して四冠王となり、四十一年にはさらにST第三節 社会人スポーツの隆盛と翳り777第3節 社会人スポーツの隆盛と翳り

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