北海道現代史 資料編3(社会・文化・教育)
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主将の浜井、連日好投した柳、千藤の順で胴上げが続く。ダッグアウトの上で手を叩いて喜んでいた白老の望月工場長が選手に呼ばれてグランドに入った途端、からだは高々と舞った。背広に着替えた齊藤社長も……。グランドは紙吹雪とテープの嵐。スタンドでは応援団ハットのチアガールも感激に泣き出すほど。そして「おお大昭和、覇権を握れ……」の応援歌が球場にこだました。「優勝白老町大昭和製紙北海道」の文字が、バックスクリーンの電光板に映え、夕闇迫る後楽園の空に明々と輝いた。5回目の大昭和北海道ナインの胸にしっかりと抱かれ、初めて津軽の海を渡った。そして、その雄姿は北海の大地を力強く踏みしめ、勝利の雄叫びを高らかに轟かせた。この年目立った新人の補強はなかったが高梨英夫一塁手を中心にした不動の陣容で攻守とも磨きがかかった。の2頭の熊も立ち上がり、ミニスカートにカウボーイ第45回を記念してつくられた真新しい黒獅子旗は出場若獅子賞の中山俊之も健在、新捕手村上忠則のめざましい進境もあった。スタートの静岡大会から投手陣は快調、川瀬隆俊が2試合完封すれば、中山も広畑をシャットアウト。決勝では加藤英美が好リリーフして三協精機の反撃を絶つなど投手陣の活躍で見事優勝した。優勝後のインタビューで安藤喜春監督は、 「北海道のチームも都市対抗での優勝を、そろそろ考えてもいい時期ではないか、ウチは目標を大きく持ってこれからも進んでいく」と自信たっぷりの発言。これがまさか4カ月後に実現しようとは………。〝智将〟安藤監督も夢想だにしなかったことではなかろうか。(北海道立図書館所蔵)780第1部 社会・文化 第13章 スポーツ     ―  

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